憧れのSEIKO TE-5、足踏みで復活。
こんにちは、愛知県の大羽ミシンです。
最近はコンピューターミシンや刺繍機ばかり触っていたので、たまにこういうミシンを触るとほっとするという話。
主役は写真のミシン、SEIKOのTE-5です。

渋いグレーのボディに、ぐっと伸びた腕。そして足元には鋳物の足ふみ台。見ているだけで、なんだかワクワクしてきませんか?
自分は毎日ミシンを触っていますが、このミシンを組み上げたときは、しばらく眺めてしまいました。
やはりこういう年代物のミシンは独特な味があります。
ずっと探していた一台
今回お届けしたのは、男性でバイク乗りの方です。
もともとデニムなどの丈夫な生地を使って、キャンプやアウトドアの道具、バイク用品を入れる収納ケースやバッグを作っていらっしゃいます。
工具やギアをしまうものって、既製品だとなかなかピッタリのサイズがないんですよね。「だったら自分で作ってしまおう」というのが、モノ作りの一番の楽しさだと思います。
そんなお客様が、ずっと憧れていたのがこのSEIKOのTE-5でした。
TE-5は、筒状の腕の先で縫う「腕ミシン」と呼ばれるタイプです。袋ものや筒状のものでも、腕に通してぐるっと縫っていけます。厚手の生地や重なった部分でも、力強く縫ってくれる頼もしいミシンです。
現行品ではTE-6Bという機種でクリーム色です。この色合いは現行ではありません。
そこで大羽ミシンにご相談をいただきました。
正直言って、「TE-5ありますか?」と聞かれて「はい、どうぞ」と出せるものではありません。
なので、まずは古い頭部(ミシンの本体部分)を探すところから始めました。さらに、今回は足ふみで使いたいということで、無ければモーター仕様という事でした。
なんとか足踏みテーブルが手に入りました。
見た目はそれなりですが、釜など、縫いに関わる大事な部品は新品に交換しています。
また、軸系はすべて抜いて、洗浄して防錆加工して、再度組み付けて調整します。
古いミシンは、見た目がきれいでも中の部品がすり減っていることがよくあります。そのままだと、糸が切れたり目が飛んだりと、せっかくのモノ作りが嫌になってしまいます。

「古いミシンを直して使う」というのは、ただ動けばいいわけではありません。長く気持ちよく使ってもらえてこそだと、思っています。
ベルトを掛けて、足ふみ台の板を踏んで、はずみ車がゆっくり回り出す。
この瞬間は何度経験してもうれしいものです。
最近のコンピューター式のミシンには無い感覚。
自分がレコード好きなのも、盤に針を落とす作業が、この感覚に似ているからだと思います。
お客様のお宅で使い方をご説明
完成したミシンは、お客様のお宅までお届けしました。設置したあとは、その場で使い方を説明させていただきました。
足ふみミシンは、電動ミシンとはちょっと感覚が違います。
踏み始めの向き、スピードの調整、止めるときのコツ。最初は少し戸惑うかもしれませんが、慣れると自分の足でスピードを細かく決められるので、とても扱いやすいんです。
モーター音もないので、ミシンと会話しているような感覚で縫えます。これがまた楽しいんですよね。
お客様も、実際に踏みながら「おお、動いた」と、本当にうれしそうな顔をしていました。
こういう顔を見ると、ミシン屋冥利に尽きます。
ミシンだけじゃありません
今回、お客様が一番感動してくださったのは、実はミシンそのものよりも、こちらだったかもしれません。
特殊なアイレット(ハトメ)や、それを取り付けるための打ち具まで、一式すべてそろえてお渡ししました。
収納ケースやバッグを作るとなると、ミシンで縫うだけでは完成しません。ひもを通す穴やフックに掛ける穴には、アイレットが欠かせません。
ところが、デニムのような厚手の生地に合うサイズや、ちょっと特殊なアイレットとなると、どこで買えばいいのか、どの打ち具が合うのかが分かりにくいんです。
「他では相手にしもらえなかった、嬉しいです」
そう言っていただけて、自分も本当にうれしかったです。
ミシン屋の仕事は、ミシンを売ることだけではないと思っています。
お客様が「作りたいもの」を形にするまでのお手伝いをすること。そこまでやって、やっと一人前なのかなと。二十数年やってきて、最近ますますそう感じています。
これから生まれるグッズが楽しみです
憧れのTE-5を手に入れて、必要な道具もすべてそろいました。
あとは、お客様の思うままに作るだけです。
キャンプ道具をまとめる丈夫なケース。バイクに付けることが出来る大振りなバッグ。使い込むほど味が出るデニムのヘルメット収納袋。
どれも、世界に一つだけの自分だけのグッズになるはずです。
完成した作品を見せて頂きましたが、めちゃめちゃ嬉しそうで自分も嬉しくなりました。
大羽ミシンでは、「ずっと探しているミシンがある」「古いミシンをもう一度使えるようにしたい」「作りたいものがあるけれど、何をそろえればいいか分からない」といったご相談も大歓迎です。
すぐにご用意できないこともありますが、できる限り探して、一緒に考えさせていただきます。
どうしても出来ない時はごめんなSHY。
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