愛知県の大羽ミシンです。
2/22に蒲郡で行われた、hugmam主催の子育て応援イベントに参加させていただきました。
今回は小さなお子さんでも体験出来るミニバッグ作りを開催し、延べ20名の方にご参加頂きました。
ワンちゃんか猫ちゃんの刺しゅうを選んでもらい、イニシャルをミシンで刺繍して、バッグに仕立てるという内容のものでしたが、
低学年のお子さんでも、綺麗に仕立てることが出来ました。
おうちではフェルトのミシンを使っているよ、とか、ミシン自体初めて見たよ、とか、お母さんがミシンしているところを見ていたよ、
など、色々な話をしてくれました。
出来上がったバッグを嬉しそうに持っている姿を見ると、学校でも家庭科ではミシンをすることも少なくなり、ご家庭でもミシンの無いおうちがほとんどなので、良い体験になってくれたらいいなぁと思います。
とはいう物の、現在ミシン自体は無くなるのではないかと思うほど、ミシンを使う人は本当に少なくなっています。
販売チャンネル増加、メーカーによる代理店契約とは何なのかと思うような、どこでも誰でも販売OK施策によるミシン取り扱い場所の増加によって、買いたいと思えばいつでも買えるですが、
こういう販売を目的としない草の根活動を業界全体でやっていかないと5年後には、うちもふくめてほとんどのミシン店が無くなると思っています。
また、メーカーと現場(代理店)の意識のズレによる、体制のズレも問題です。
一昔前は、入園や入学でお子さんの為、お孫さんの為にグッズを作る為にミシンを必要とする需要があったと思いますが、現在はほぼ0ですし、小物づくりを趣味とするといった方、服作りに夢をもつ方もごくわずかです。メーカーはいつまでも、ミシンは母親の物、60歳代の女性というターゲットから離れられずにいるようで、そのイメージを持っています。ところが現場は、70歳以上の女性や男性がお金を使わない余生の楽しみとして使っていることが圧倒的に多く、そういった困りごと対応が日々の仕事というほぼボランティアとなっています。
前述の様な、取り扱い業者の増加はメーカーが交通整理をしてくれないと、代理店では何も出来ません。にも関わらず、代理店には取引台数のお願いという無茶ぶりが各メーカーから来ます。
現場で、ボランティアの様にミシンの困りごと解決(大事な事ですが)が毎日の大半になり、大量の在庫を抱え、販売価格、販売台数共に下がり続ける現在は経営という観点では、ほぼ詰みの状態です。
そして、今回のイベントのような活動が出来ないほど余裕が無くなった時が、業界の終わりの始まりです。
そして、この様な活動以外に、もっと今の技術やデジタルな物を融合させた、新しいミシンの使い方を提案できるような事もしていかないといけません。
今、若手後継者のいるミシン店は全国でも数えるほどしかありませんが、横展開でミシン店どうし、業界を変えていこうという動きが出来たらと思います。
タイムリミットはこれからの5年間、もしかしたら3年間かも知れません。
楽しんでくれる子供たちの笑顔を見ながら、反面、暗澹とした気持ちになりました。
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