愛知県の大羽ミシンです。
先日、職業用ミシンの糸切カムが割れてしまったという内容の修理が続いたという話を書かせていただきましたが、
今回は家庭用ミシンのギヤ割れについての修理です。
このJUKIのHZL-Fシリーズ(EXCEED600JP・400JP・300JP、FQ65・FQ45、EX7・DX5など)で良くある修理です。
これらもなぜか、同じ時期に同様の修理が持ち込まれます、今週はこのギヤ交換が3台立て続け。
この修理、7.8年前から頻繁に依頼が来るようになりました。
最初ののうちはこの修理が嫌でした。
取りはずし方を誤ると、ドツボにはまり、ニッチもサッチもいかなくなるからです。
下取りの物などで練習して、今では1時間半くらいあれば治りますが、当時は3日もかかって結局治せず、メーカーに送るなど不本意な結果に終わる事もありました。
直ったとしても、たまたま直ったような感じでスッキリせず、再修理になる事もしばしば。
今でこそ、道理が分かってやっていますが、最初のころは、これを変ええると送りは狂うは、自動糸切はおかしくなるはで泣きそうでした。
このように下軸を取り外して、ギヤを交換するのですが、糸切カムと送りの駒を抜かないといけないので、やみくもに外すと酷い目に遭います。
また取り付けるときも、良く分からない状態になります。よくもまぁ、分解していたものです。
こういった修理をはじめ、古いものでパーツの無いものなどは加工して直したり、手のかかる修理は増えてきているので、新しい人に伝えていきたいのですが、
採用しても慣れたころになると退職という事になり、人を育てる難しさを痛感しています。
また、古いものだけでなく、新しい機種や出張修理、家庭用だけでなく工業用ミシンの修理もあります。
思えば自分も、この業界に入って20年以上たってます。修理は教えてもらう物ではなく、自分で覚えるものだと教えられ、道具の手入れや整頓から始まりました。教えを乞う時は、怒られるのを覚悟で聞いたものです。
でも、今はそんな事をしていては人は育たないので、もっとスムーズに教えられないかと考えますが、ミシンは古いものまで遡ると100種類以上になり、しかもメーカー・機種・種類によって全然違う物もあるので、ある程度こなさないとわからない、
資料もない、というややこしい事態になります。
しかも、業界は縮小に次ぐ縮小で、どんどんミシンの需要が減っているので、人を雇った場合には、車や家電の様に修理やメンテナンスで食べていく事は難しいときています。
その為、それ以外の収益を上げていかないと、技術も今後は消えていくだけになってしまうので、修理ばかりやってる場合では無いのですが、
現状大切な収入源の為、やりながら経営を考えるというジレンマがもうずっと10年以上続いています。
最近、ミシンメーカーもメーカーの修理料金を大幅に値上げしてきています、それに伴い、修理対応不能機種も増えていますが、お客様の要望としては、
修理して使いたいという事例がほとんど、何とかして直してほしいと言われるとこちらも何とかしてしまいます。
メーカーも苦しいのでそれ以外も値上げの対象は色々です。
メーカーも販売店も日銭を稼ぎながら、どんどん縮小していく業界に対し、決定打を持たず、今の現状を打破できない事に焦りと苛立ちを感じています。
おっと、また愚痴のような事になってしまいました。
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